歯周病検査について

春の訪れを感じる気持ちの良い季節になりましたね。
一方で新しい環境や寒暖差によるストレスは、
私たちの健康に影響を及ぼし、お口の健康にも注目が必要です。


本日は、「歯周病」と「歯周病検査」についてのお話です。

歯周病とは、歯と歯ぐきの間の歯周ポケットにプラークや歯石が溜まり
歯ぐきが炎症を起こし、歯を支えている骨まで溶かしてしまう病気です。
歯周病は痛みを伴うことはほぼなく、自覚症状もほとんどありません。
そのため、気がつかないうちに進行してしまいます。

歯周病が進行すると
骨が溶ける

歯周ポケットがどんどん深くなる

歯ブラシが届かないところにプラークや歯石が溜まる

さらに炎症が広がる

という悪循環に陥ります。


歯周病が進行する前に、定期的に歯医者さんで検査を行い、
正確な診断のもと早期治療することがとても大切です。


歯周病検査の項目は、大きく分けて4つあります。
① レントゲン検査
② プロービング検査
③ 動揺度検査
④ プラークの付着状況を調べる検査

これらの検査結果をもとに歯周病の進行度を確認していきます。

それぞれの検査を詳しくご紹介します。
① レントゲン検査
 レントゲンを撮影すると、歯根と歯槽骨の状態をみることができます。
 また、大きな歯石はレントゲンにも写るので、歯石の着き具合をみる
 こともできます。

健康な歯槽骨
溶けた歯槽骨
レントゲンに写る大きな歯石

② プロービング検査
 歯周病の進行度を確認する上で大きな指標となるのが歯周ポケットの
 深さです。プローブという器具を使用して、歯周ポケットの入り口から
 骨までの距離を測ります。正常値は2~3mmといわれていますが、
 4mm以上になると歯周病が疑われます。


 同時に出血の有無もチェックします。
 炎症が起きていると少し触っただけでも出血するため、
 炎症の度合いを確認することができます。


 また、プローブから伝わる感覚で歯や歯ぐきの内側を触って状態を確認
 します。歯の根の形や歯石がついている場所がわかります。

③ 動揺度検査
 ピンセットなどを使用し歯の揺れを確認します。
 歯周病が進行すると歯の揺れも大きくなるため進行度を
 確認することができます。

④ プラークの付着状況を調べる検査
 歯周病の直接の原因は、歯の周囲に付着したプラークによる炎症です。
 プラークとは、お口の中にいる細菌が歯の表面に付着し増殖した、
 細菌の塊です。プローブや探針という道具を使って歯の表面をなぞり、
 プラークの付着率を記録します。


 歯周病の治療は【歯医者さんでの処置】と【ご自宅でのセルフケア】の
 両方がとても大切です。医院では、プラークが溜まらないよう、
 はみがきの仕方などの指導を行います。

歯周病は一度進行してしまうと二度ともとには戻りません。
溶けてしまった骨を完全に治すことはできませんし、抜けてしまった歯を
戻すこともできません。

歯周病やその他の口内トラブルを未然に防ぐために、定期的な歯科検診は
欠かせません。ぜひ定期的に検診を受け、健康な口内環境を維持しましょう。

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